ペット保険の「特約」って本当に必要?有料オプションとして追加するほどではない!

ペット保険は「通院・入院・手術」といったメインの補償以外に、自動付帯または有料オプションの特約をセットすることができます。
しかし、飼い主さんの中にはそれを知っていたとしても「どのような特約があるの?」「本当に必要なの?」など、ペット保険の特約についてあまり理解できていない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ペット保険にはどのような特約があるのか、それらの特約は本当に必要なのかといった疑問にお答えしたいと思います!

そもそも「特約」ってなに?

『特約』とは保険を契約する際に、メインとなる補償の「主契約」にプラスすることで付帯できる補償を指します。メインの補償をさらに手厚くするオプションとして、自動的に付帯される場合もあれば、有料にはなりますが任意で付帯する場合もあります。

しかし特約はあくまでも主契約に追加して契約する補償なので、特約を単体で契約することはできません

ペット保険にもこのような『特約』と呼ばれるプラスの補償はもちろん存在します。ペット保険における特約は、メインとなる「通院・入院・手術」などの補償とは別に、金銭的な負担を軽減する補償のことを指します。またペット保険の特約は、提供している保険会社によって種類や内容は様々です。

ここからは、ペット保険の特約の種類や内容について、詳しく見ていきましょう。

ペット保険の特約について

どんな特約があるの?

ペット保険には、一体どのような特約があるのでしょうか。

※表は横にスクロールできます。

ペット賠償責任特約 保険契約しているペットが第三者(他人)をケガさせたり、
物を壊したりして損害を与え、
法律上の損害賠償責任を負った際に保険金が支払われます。
葬祭保険金特約
(セレモニー費用特約、火葬費用特約)
ペットが死亡して火葬や埋葬、供養のための仏具を購入した場合、
所定の保険金が支払われます。
高度後遺障害保険金特約
(ペット用車イス費用特約)
障害によってペット用車椅子などの補助器具を購入した場合、
所定の保険金が支払われます。
ガン手術保険金特約 ガンで手術を受けた際、通常の手術給付金に上乗せして
所定の保険金が支払われます。
診断書費用保険金特約 保険金を請求するために診断書が必要な場合、
所定の保険金が支払われます。

ペット保険には主に5つの特約があります。
1つ目は、ペットが他人にケガを負わせたり、物を壊したりした場合の賠償金を補償する「ペット賠償責任特約」です。

2つ目は、ペットが亡くなった時のお葬式の費用や、供養のために購入した仏具の費用を補償してくれる「葬祭保険金特約」。3つ目は、ペットが障害を負ってしまい、ペット用車椅子などの補助器具が必要になった場合に購入費を補償してくれる「高度後遺障害保険金特約」です。

そして、昨今ペットのガンが増えていることから、ガンに対する手厚い補償が受けられる「ガン手術保険金特約」がセットされたペット保険や、保険金を請求するための診断書費用を補償する「診断書費用保険金特約」を付帯しているペット保険もあります。

これらの特約は自動的に付帯されるパターンと、有料オプションとして任意で付帯するパターンがあります。

各保険会社の特約一覧を知りたい!

ペット保険の主な5つの特約をご紹介しましたが、保険会社によっては提供していない特約もあります。そこで、各保険会社が提供している特約を一覧でまとめたものを見ていきましょう。

※表は横にスクロールできます。

保険会社名 ①ペット賠償責任特約 ②葬祭保険金特約
(セレモニー費用特約、火葬費用特約)
③高度後遺障害保険金特約
(ペット用車イス費用特約)
④ガン手術保険金特約 ⑤診断書費用保険金特約
アニコム × × × ×
アイペット × × × ×
アクサダイレクト 〇(示談交渉付) × × × ×
イーペット少額短期保険 × × × ×
au損保 × × × × ×
SBIいきいき少額短期保険 × × × × ×
FPC × × × × ×
SBIプリズム少額短期保険 × 〇(自動付帯) 〇(自動付帯) 〇(自動付帯) 〇(自動付帯)
日本ペットプラス少額短期保険 × × × ×
ペッツベスト × × × × ×
ペット&ファミリー損保 × × × × ×
PS保険(ペットメディカルサポート) × 〇(自動付帯) × ×
楽天少額短期保険 × × × × ×

多くの保険会社が「ペット賠償責任特約」を提供しており、その中で13社中5社が対応しています。ただし、アニコムの「どうぶつ健保ぷち」と、日本ペットプラス少額短期保険の「パールプラン」対応していないので注意しましょう。

続いて「葬祭保険金特約(セレモニー費用特約、火葬費用特約)」と「高度後遺障害保険金特約(ペット用車イス費用特約)」が13社中2社。

「ガン手術保険金特約」と「診断書費用保険金特約」に関しては、SBIプリズム少短のみの対応です。

特約の利便性について

特約はこんな時に役立つ!

ペット保険の特約は、メインとなる補償をさらに手厚くするための補償であり、金銭的な負担を軽減する役割を担っています。

例えば「ペット賠償責任特約」を付帯しておけば、愛犬が他人に噛みついてケガをさせてしまった時や、他人の車に傷をつけてしまった時など、補償額は保険会社によって異なりますが300万~1,000万円程度を補償してくれます。

こうした事故は高額の賠償責任が発生する可能性があるので、万が一に備えて付帯しておくと役立つでしょう。

追加料金なしで自動セットされている特約は、入っていても損はない!

ペット保険の特約には、自動的に付帯されるものと、有料オプションとして任意で付帯するものがあります。
自動セットされているのは、
PS保険
→車いす補償(高度後遺障害保険金特約)

SBIプリズム少短
→葬祭保険金特約(セレモニー費用特約、火葬費用特約)
→高度後遺障害保険金特約(ペット用車イス費用特約)
→ガン手術保険金特約
→診断書費用保険金特約

上記の特約です。これらは保険料の追加なし入ることができます。(正確にいえば、主契約の保険料に組み込まれています。)

これらの特約を詳しく説明すると、例えばPS保険に自動セットされている「車いす補償」は、病気は対象外となりますが最大10万円まで補償してくれます。また犬用の車いすは大きさによって値段は異なるものの、一般的には25,000円から。大型犬用となると、80,000円以上する場合もあります。

こうしたケースを考えると、保険料の追加が発生しない特約は、愛犬のもしもに備えて入っていても損はしないでしょう。

そうはいっても本当に必要なの?

入ると損する特約ってあるの?

ここまで見る限り、メインとなる補償だけでなく、特約もプラスしておいた方が安心できるような気がしますよね。しかし、人によっては特約に入ることでかえって損する場合もあります。
では、先ほどご紹介した5つの特約の中ではどれなのでしょうか?

飼い主自身が加入している保険内容で補えるかも!?「ペット賠償責任特約」

ペットが他人をケガさせたり、他人の物を壊したりしたときに補償してくれる「ペット賠償責任特約」。ありがたい特約に思えますが、実はプラスで入ると損することもあります。

その理由は、火災保険・傷害保険・自動車保険といった他の損害保険には「個人賠償責任保険特約」や「日常賠償責任特約」のような名目で特約がセットされていることがあるからです。

こうした特約はペットに関わる賠償責任も補償の対象としているので、わざわざペット保険で有料オプションとして付帯する必要はありません。

そのためペット保険の特約を付帯する前に、ぜひ一度ご自身が加入している損害保険を確認してみることをお勧めします。

さらに「ペット賠償責任特約」に入ると損する可能性があると結論付けたのは、もう1つ理由があるからです。実は、ペット保険に付帯できる「ペット賠償責任特約」は賠償限度額が小さく、あまりおすすめすることができません。

例えば、クレジットカードの付帯保険の中には月額100円程度で賠償限度額1億円の補償が付いているものもあるため、入るならそちらの方が断然お得でしょう。また、義務化が進んでいる自転車保険にも、月額103円(年額1,230円)で限度額1億円の補償を受けられる保険もあります。

自転車保険とはいっても損害賠償責任保険なので、自分のペットが他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした場合ももちろん補償されるので安心です。

保険料が安い上に、補償が手厚い自転車保険の詳細はこちら

月々保険料を支払うよりも貯金した方がいい!?「セレモニー特約」

PS保険のみが提供している「ペットセレモニー特約」。内容を見てみると、火葬費用・葬儀費用などの負担金額は最大3万円まで補償されることがわかります。
ここでは、民間のペット葬儀業者に依頼した場合の火葬料金の相場をチェックしてみましょう。

※表は横にスクロールできます。

体重 相場金額(約) 動物の種類
0kg ~ 1kg 1万 ~ 2万 ハムスター、小鳥等
1kg ~ 5kg 1.5万 ~ 2.5万 フェレット、モルモット、猫、小型犬等
5kg ~ 20kg 2万 ~ 4万 中型犬等
20kg ~ 40kg 3.5万 ~ 6万 大型犬
40kg ~ 60kg 5万 ~ 10万 超大型犬

引用:ペット葬儀マップより

ペットの火葬料金は体重や大きさ、火葬方法によって異なるため、中型犬を超える大きさであれば補償金額の3万円では少し不安に感じます。

また、自治体でのペット火葬費用は1,000円~10,000円前後とされているので、自治体でのペット火葬を利用するのであれば、わざわざ「ペットセレモニー特約」を付帯する必要はないように思えます。

さらに、若いうちは保険料も安いので「ペットセレモニー特約」に入っておいてもよいかもしれませんが、高齢になるにつれて保険料は高くなり、損する可能性はどんどん上がります。

例えばチワワやトイプードルなど小型犬の料金プランを見てみましょう。

※表は横にスクロールできます。

小型犬 支払方法 特約なし 特約あり 差額
0~2歳※1 月払 2,150円 2,210円 60円
一時払 24,830円 25,530円 700円
0~2歳※2 月払 2,210円 2,180円 30円
一時払 24,430円 25,130円 700円
3~5歳 月払 2,390円 2,460円 70円
一時払 27,560円 28,410円 850円
6~8歳 月払 3,020円 3,100円 80円
一時払 34,790円 35,760円 970円
9~11歳 月払 3,180円 3,410円 230円
一時払 36,720円 39,360円 2,640円
12~14歳 月払 3,590円 4,210円 620円
一時払 41,440円 48,550円 7,110円
15~17歳 月払 3,590円 4,700円 1,110円
一時払 41,440円 54,220円 12,780円
18歳~終身 月払 3,590円 5,100円 1,510円
一時払 41,440円 58,800円 17,360円

「70%補償プラン」にした場合、0~2歳の差額は一時払で約700円。これなら入ってもいいように思えますが、12~14歳になると一時払で「7,110円」もの差額が生じてきます。これでは特約で補償してくれる負担金額の3万円はすぐに越してしまいます。
このように補償金額の低さを考えると、わざわざ特約を付けて払い続けるよりは、その時のために貯蓄をしておいた方が断然お得かもしれませんね。

【結論】特約は追加料金を払ってまで入るものではない!

ペット保険の特約の種類や必要性についてご紹介しました。
ペット保険の特約は、自動付帯のものであれば入っていても損はありません。一方で、有料オプションとしてわざわざ付帯する必要はないことがわかりました。

ただし、飼い主さんの中には損害保険に入っていない方や、貯金が苦手な方もいるでしょう。そういう方は有料オプションを付けてもよいかもしれません。しかし、そうでない人は付帯しなくても問題ないでしょう。

ペット保険の加入や乗り換えを検討している方は、自身がすでに加入している損害保険や、現在加入しているペット保険の保険料や補償内容を見直した上で、特約の必要性を考えてみてはいかがでしょうか。

そうすれば、今よりも保険料が安い上に補償が充実したペット保険に出会えるかもしれません。

注意事項
記事閲覧時は、記事閲覧時の注意事項をご覧下さい。
表示内容は特別に記載のない限り2020年3月4日現在の内容です。
補償割合が高くても保険金が少ない事がある!保険プラン選びで気を付けるべき事! ペット保険の「割引」を各社比較してみた。多頭割引、インターネット割引って本当にお得!? 【ペット保険の選び方】保険会社が隠したいデメリットとは?|ペット保険比較の方程式