犬が人を噛むと殺処分!?もしもに備えた賠償責任補償とは

普段どんなに大人しい犬であっても、突然人を噛んでしまうことがあります。
「そんなうちの子に限って…」と思うかもしれませんが、100%噛まない補償はどこにもないのです。

もしも愛犬が人を噛んでしまったら、飼い主に対する責任はどんなものがあるのでしょうか。またそんな状況に陥った場合に助けてくれるペット保険はあるのでしょうか。

意外と多い!飼い犬による咬傷事故

犬による咬傷事故は年間4,000件以上もある

どんなにしつけや訓練をしていたとしても、犬による咬傷(こうしょう)事故は突然起こります。

環境省が調査した統計にある“動物による事故”の犬による咬傷事故状況によると、平成28年度には4,341件にも及ぶ咬傷事故が発生し、そのうち飼い犬による咬傷事故はなんと4,038件もあるそうです。

平成20年度~平成28年度の統計を見てもご覧の通り。


※上記表をタッチすると拡大されます。

普段どんなにおとなしい犬であっても、何かしらに驚いてその拍子に相手を傷付けてしまうことがあります。

「うちの子に限ってそんなことはあり得ない!」と思っていたとしても、それは100%とは言い切れないのではないでしょうか。

咬傷事故により殺処分に繋がってしまうケースもある

もしも愛犬が他人に噛みつき、ケガを負わせてしまったら…状況に応じてではありますが、場合によっては殺処分される場合があるそうです。

では、どのような判断の元で殺処分が下されるのでしょうか。

各都道府県に応じ国の法律とは別に定める自主法(=条例)があります。

例えば東京都の条例にある動物愛護及び管理に関する条例では以下のように内容が記されています。(※各都道府県によって条例内容は異なります)

第30条 

知事は、動物が人の生命、身体若しくは財産を侵害したとき、又は侵害するおそれがある

と認めるときは、当該動物の飼い主に対し、次の各号に掲げる措置を命ずることができる。

 

一 施設を設置し、又は改善すること

二 動物を施設内で飼養し、又は保管すること

三 動物に口輪を付けること

四 動物を殺処分すること

五 前各号に掲げるもののほか、必要な措置

条例に明記されているように、愛犬が咬傷事故を起こしてしまった場合は、必ず飼い主は最寄りの保健所(動物愛護センターなど)に連絡を入れる必要があります。

さらに保健所に対し24時間以内に『飼い犬の咬傷届』を提出しなくてはいけません。

また条例には記載されていませんが、犬が狂犬病や感染症などにかかっていないかを確認するためにも、48時間以内に動物病院で検診をしてもらう必要があります。

その際『検診証明書』が発行されますので、各都道府県の条例に従って保健所などに提出をしてください。

そして、その中でも特に気になるのが『四 動物を殺処分すること』ですが、例え条例に明記されているからといって、犬が人に噛みついて傷を負わせたからといってすぐに殺処分されるわけではありません。

殺処分に繋がるケースとしては、次のようなことが発生した場合です。

①何度も犬が被害者に対し噛みつき、明らかに害を及ぼしていると判断された場合

 

②相手側との話し合いが訴訟にまで発展し、裁判所から殺処分命令が下された場合

 

③被害者から加害者(飼い主)に対し、頻繁に殺処分請求を求められた場合

①②に関しては、どちらも話し合いでは収まらず、訴訟にまで発展した場合は裁判所から殺処分命令が下される場合があります。

また③の場合は行政によるものではなく、被害者側から何度も殺処分請求があり、飼い主が苦渋の決断で自ら保健所に殺処分を求める場合に起こります。

愛犬の咬傷事故による賠償請求について

過失傷害罪や民事訴訟に発展することも…

愛犬が人を噛んでケガをさせてしまった場合、被害者が告訴をすれば飼い主は刑法第209条の過失傷害罪に問われてしまいます。

第209条 

過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。

さらに動物愛護管理法により、人に迷惑をかけないよう定められているため、賠償責任があるのは愛犬(動物)ではなく、飼い主だと民法で定められています。

そして民法第718条にはこんなことが記されています。

第718条 

1.動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。

 

2.占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。

愛犬が他の犬に傷を負わせた場合は刑事事件にはなりませんが、相手の飼い主から民事訴訟を起こされて損害賠償を請求されることもあります。

慰謝料などは、時に数百万円にも及ぶ場合もあるため、交渉が決裂してしまうと訴訟となり、愛犬の殺処分を求めることもあります。

このような時のためにも、犬を迎えたら賠償責任保険などの保険に入っておくことが愛犬にとっても、そして自分自身にとってもリスクを軽減できるのではないでしょうか。

もしもに備えた賠償責任保険~愛犬と自分自身を守るために~

賠償責任保険といっても、様々な保険が存在します。

例えば火災保険や自動車保険、傷害保険などの契約内容に「日常賠償責任特約」「個人賠償責任保険特約」などの特約がセットされている場合は、ペットに関する賠償責任も補償してくれることがあります。

しかし、そのような特約がセットされていない場合は、ペット保険と一緒に加入することができます。

では、ペット保険と一緒に加入できる賠償責任とはどのようなものなのでしょうか。

ペット保険とセットで入ろう!『ペット賠償責任特約』

ペット保険には『ペット賠償責任特約』という特約があり、ペット保険とセットで入ることができます。

では、ペット賠償責任特約とはどのような内容なのでしょうか。
通常ペット賠償責任特約は、以下の内容が対象内容となります。

①対人賠償

⇒他人を噛んでケガをさせてしまった

 

②対物賠償

⇒ペットが他人の物を壊してしまった

 

③対物賠償(対ペット)

⇒他人のペットにケガをさせてしまった

 

※ペット保険会社や事故内容などによっては、ペット賠償責任特約の対象外になる場合があります。詳細については各ペット保険会社にお問い合わせください。

今回議題として挙げている、犬が人を噛んでしまった場合は①の対人賠償に該当します。

また賠償責任特約は、自身のペットによって生じた訴訟費用や弁護士報酬、仲裁や和解、もしくは調停に要した費用なども補償されます。

ペット賠償責任特約に入れるのは全部で5社

ペット賠償責任特約は全てのペット保険に付帯できるわけではありません。

2020年6月19日現在、ペット賠償責任特約を付帯できる保険会社は全部で5社あります。

ここでは、その5社のペット保険についてご紹介したいと思います。

◆アニコム◆

特約料金⇒月払:140円/年払:1,500円


※上記表をタッチすると拡大されます。

アニコムペット保険→加入前に知っておきたいデメリットは?口コミ・評判は?

◆アイペット◆

特約料金⇒月払:130円/年払:1,460円


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アイペット保険の加入前に知っておきたいデメリットは?目的で選べる2プラン魅力!口コミ・評判付き

◆アクサダイレクト◆

特約料金⇒アクサダイレクトは犬種ごとに特約料金が異なる。


※上記表をタッチすると拡大されます。※保険料はマイクロチップあり/なしで変わりますが、ペット賠償責任特約の料金は変わりません。


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アクサダイレクトのペット保険。補償内容・デメリットを加入前に確認しよう!口コミ・評判は?

◆イーペット少額短期保険◆

特約料金⇒月払:130円/年払:1,440円


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イーペット保険のデメリットは保険料と補償限度額?口コミ・評判付き

◆日本ペット少額短期保険◆

特約料金⇒月払:90円/年払:1,030円


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日本ペットのデメリットは補償されない病気やケガの多さ|口コミ・評判は?

ペット賠償責任特約の注意点

ペット賠償責任特約は、ペット保険とセットで加入できるのが嬉しいところですが、注意すべき点があります。

ここでは、人対犬の損害賠償責任において賠償責任が発生しない場合と、賠償責任が発生しても保険金がおりない場合について紹介します。

【賠償責任が発生しない状況】ペットが飼い主以外の人の管理下にある場合は補償対象外

例えば友人にペットを預けた際、その友人の重過失により発生した咬傷事故などは補償対象外です。

その理由は、本来ペットの飼い主である被保険者には法律上の損害賠償責任が発生せず、保険金が支払われないからです。

【賠償責任が発生しても補償対象外】同居している親族が被害者の場合

ひとつ屋根の下で住んでいる家族が、例えペットに噛まれてケガをしたとしても補償はされません。

【賠償責任が発生しても補償対象外】動物と一緒に仕事をする職種の場合

サーカスや闘犬などといった、動物を使って利益を得る仕事が直接原因とする場合はペット賠償責任特約の対象になりません。

いつ・何が起こるかわからないからこそ“備えは大事”

愛犬が他人を噛んでしまった場合、飼い主の責任はとても大きいことがわかりましたね。

被害者から告訴されれば過失傷害罪に問われ、損害賠償を支払わなければならなくなりますし、さらには慰謝料請求までされる可能性もあります。

過去の事例として、犬によって人が死亡した事故で約5,000万円もの高額な慰謝料が支払われたケースもあるそうです。

普段はどんなに良い子であっても、犬には牙があります。

少しでも自分の身に危険があるのではないかと不安を感じると、その瞬間噛んでしまうことも少なくありません。

だからこそ、もしもに備えた賠償責任保険は入っておくとよいでしょう。

ぜひペット保険を検討中の方は、ペット賠償責任特約がある保険を検討してみてはいかがでしょうか。

また愛犬が他の犬を噛んでしまった場合の記事も掲載しています。

愛犬が他の犬を噛んでしまった!賠償責任対応ができる保険について

こちらも合わせて参考にしてみてくださいね。

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