「手術をすると◯万円」「ペット保険に入っておかないと大変なことになる…!」と世の多くの記事には書かれていますが、どうも腑に落ちない・納得いかないと思っていませんか?

ここではペットの年齢と保険料の観点から「ペット保険は必要なのかどうか」具体的なデータに基づいて、忖度抜きで検証してみました!

結論から言うと、ずばり、生まれて間もないペットや高齢のペットには保険加入をおすすめします。ですが、健康な成犬・成猫は無理にペット保険に入る必要はない!ということです。

「そんなの当たり前じゃないか!」と思った方もいるかもしれませんね。以下では、なぜこのような結論になったのか、アニコムどうぶつ白書2019のデータから仔細に分析していきます。

ペット保険とは?

ペット保険とは、犬・猫などペットが病気やケガによって動物病院を受診した際、診療費の一部が補償される保険です。

例えば、大手アニコムの「ふぁみりぃ」というプランは、以下のような補償内容になっています。

補償割合70%
通院支払限度額14,000円
限度日数20日
入院支払限度額14,000円
限度日数20日
手術支払限度額140,000円
限度回数2回

この例では、診療費に「補償割合70%」が掛けられ、「支払限度額」と「限度日数(回数)」の範囲内で保険金が支払われることになります。

ペットには、私たち日本人のように公的な健康保険がありませんから、診療費は全額自己負担でまかわなければなりません。万が一病気やケガをしてしまい、治療を行おうとすれば、何度も通院が必要になるケースもありますし、手術1回で数十万円単位の費用が掛かることもあります。

ペット保険はそんなリスクをカバーしてくれます。

また、通院・入院・手術の補償以外にも、「賠償責任特約」をつけられたり、諸々の付帯サービスがあったりと、ペット保険はペットの健康回りで役立つ商品です。

はたして、ペット保険は必要なのでしょうか?犬・猫で年齢帯別に検証していきましょう。

犬にペット保険は必要?

幼犬にはペット保険は必要?

結論からいうと、幼犬にペット保険は必要です。

というのも、幼犬は骨折など「万が一」が起こるリスクが比較的高いからです。

以下は犬の骨折罹患率の年齢推移、手術の実施率を示したグラフです。
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「アニコムどうぶつ白書2010」より抜粋

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「アニコムどうぶつ白書2014」より抜粋
「アニコムどうぶつ白書2019」によれば、「骨折(前肢)」の1回あたりの平均診療費は約19万円です。2回手術が必要になることも珍しくなく、もしそうなれば合わせて約40万円程度の診療費がかかってしまうことになります。

また「異物誤飲」のリスクも0歳のとき、つまり幼犬のうちが最も高いです。
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「アニコムどうぶつ白書2012」より抜粋

「アニコムどうぶつ白書2019」によると、「消化管内異物/誤飲」で手術が必要になった場合、1回あたりの平均診療費は約13万円です。

他にも、感染症や寄生虫症、遺伝性・先天性疾患が判明するリスクなどもあります。
幼犬は思わぬ病気やケガで高額な診療費がかかるリスクが高いので、ペット保険の加入をおすすめします。

※犬種やサイズによっても異なりますが、ここでは生後1年程度の犬を「幼犬」としています。

成犬には、ペット保険は不要!?

もし、あなたの愛犬が現在成犬で、幼犬時代から病気やケガによる通院や入院もなく、すくすく育ってきたのであれば、成犬期からあえてペット保険に加入する必要はありません。

だいたい健康な幼犬期を過ごした犬の場合は、成犬になっても健康のまま過ごす確率が高いですし、幼犬期〜成犬期の愛犬の健康状態を見て、必要に応じてペット保険を考えれば大丈夫です。

ただ、「幼犬時代からよく通院している」「持病がある」など、幼犬期だけではなく成犬期も頻繁に通院する心配がある場合は、ペット保険の加入をおすすめします。

とはいえ、シニア・高齢犬になると病気やケガのリスクがどうしても高くなってしまいます。そのリスクを見越して健康である成犬のうちに、早めにペット保険に加入しておくのもおすすめする賢い選択です。

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「アニコムどうぶつ白書2019」より抜粋

※種類やサイズによっても異なりますが、ここでは生後1年~7歳までの犬を「成犬」としています。

シニア・高齢犬にペット保険は必要?

結論からいうと、保険加入の際の保険料に注意が必要ではあるものの、シニア・高齢犬にペット保険は必要といえます。

シニア・高齢犬になると、それまで健康だとしても、体調を崩してしまう確率は高くなります。
幼犬・成犬期と比べて特に確率が上がるのは、循環器疾患(⼼臓や⾎管)、泌尿器疾患、腫瘍などです。

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「アニコムどうぶつ白書2011」より抜粋
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「アニコムどうぶつ白書2013」より抜粋
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「アニコムどうぶつ白書2012」より抜粋

アニコムどうぶつ白書2019」によれば、犬の請求理由2位は循環器疾患の「弁膜症」で、年間診療平均値は約23万円です。手術が必要になれば、諸々込みで200万円近くかかるケースもあります。

泌尿器疾患である腎不全になってしまった場合、完治しないので生涯治療を続けていく必要があります。「アニコムどうぶつ白書2019」によれば、「慢性腎臓病(腎不全含む)」の1年間あたりの年間診療回数は13.1回、年間診療平均値は約24万円です。

腫瘍に関していえば、犬の約50%は悪性腫瘍で亡くなると言われており、人間と同様に死亡原因のトップです。
アニコムどうぶつ白書2019」によれば、9~12歳の1頭あたりの悪性腫瘍の平均診療費は約10万円で、手術が必要になってしまった場合、1回で50万円ほどかかるケースもあります。

このようにシニア・高齢犬になると、1回で高額な費用が必要になったり、長く治療を行っていく病気にかかってしまったりするリスクが高まります。ペット保険で備えをしておくべきでしょう。

ただし、シニア・高齢犬のペット保険加入には注意点もあります。
それは、保険料が割高であることです。

ペット保険は一般的に高齢になるにつれて、保険料が高くなっていきます。
なかには非常に保険料が高額になる保険もあり、診療費よりむしろ保険料が負担になってしまう可能性もあるのです。ですので、シニア・高齢犬のペット保険選択の際は、補償内容などとあわせて保険料にも気を付けることが重要です。

※種類やサイズによっても異なりますが、ここでは大体7歳以上を「シニア・高齢犬」としています。

猫にペット保険は必要?

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次は猫にペット保険が必要か見ていきます。

子猫にペット保険は必要?

結論としては、犬に比べると子猫のペット保険の必要性はそれほど高くありません。

なぜなら、犬と比較すると猫の0歳の年間平均診療費は犬の約3分の1だからです。
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「アニコムどうぶつ白書2019」より抜粋

また、子猫は子犬ほど骨折や異物誤飲のリスクも高くありません。

0歳のみのデータがないので全体のデータとなりますが、「アニコムどうぶつ白書2019」によると、猫の骨折(後肢)の請求件数は1年間で55回です。対象頭数が約10万頭なので、確率にして0.06%しかありません。

さらに、「アニコムどうぶつ白書2012」によると、犬の0歳の異物誤飲の罹患率が5.7%なのに対し、猫は2.1%です。

もちろんリスクはゼロではないため予防や管理はしっかり行っていく必要がありますが、保険の必要性は子犬よりは低いといえます。

※種類やサイズによっても異なりますが、ここでは生後1年ごろまでの猫を「子猫」としています。

成猫にペット保険は必要?

結論からいえば、リスクの認識は必要ですが、成猫にペット保険は特に必要ありません。
というのも、「アニコムどうぶつ白書2019」によれば、猫は1歳から8歳まで年間診療費の中央値が0円だからです。
つまり、アニコムに加入している猫の半分以上は「1年間で1度も保険金請求をしていない」ということです。
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「アニコムどうぶつ白書2019」より抜粋

ただし、次に見るように、猫は徐々に慢性腎臓病など泌尿器疾患のリスクが高くなっていくので、その点を理解しておくことは重要です。

一度かかってしまうと、ペット保険には加入できないか、もしくは、加入できたとしても慢性腎臓病は補償対象外という条件付きでの加入となります。なるべくリスクの低い若いうちにペット保険に加入しておく、というのは賢明な選択でしょう。

※種類やサイズによっても異なりますが、ここでは1歳~6歳までの猫を「成猫」とします。

シニア・高齢猫にペット保険は必要?

結論からいえば、シニア・高齢猫にペット保険は必要です。
なぜなら、高齢になると泌尿器疾患のリスクが一気に高まるからです。
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「アニコムどうぶつ白書2014」より抜粋

アニコムどうぶつ白書2019」によれば、「慢性腎臓病(腎不全)」は猫の請求理由1位であり、1頭当たりの年間診療回数は15回、年間平均診療費は約27万円です。

「慢性腎臓病(腎不全)」は完治しないので、定期的に、そして生涯通して治療を行っていく必要があります。仮に、平均額が年間でかかるとすれば、2年で54万円、3年で81万円と、どんどん費用がかさんでしまいます。

金銭的な理由で治療が滞ってしまうことがないように、ぜひペット保険に加入して備えておきましょう。

※種類やサイズによっても異なりますが、ここでは7歳以上の猫を「シニア・高齢猫」とします。

まとめ|長い目で見ていくことも重要

このページでは犬・猫を年齢ごとに分けてペット保険が必要かどうかを見てきました。その時のペットの健康状態だけでなく、先々のことを考えながら備えを行っていくことが重要です。

ペット保険になるべく早く加入をしておけば、保険料を支払う必要はあるものの、万が一病気やケガになったとき恩恵を受けることができますし、もし不要だと思えばすぐにやめることもできます。

対して、ペットが病気やケガをしてどうしてもペット保険が必要になった、そんな時には加入できない場合があります。

保険料や補償内容などとの兼ね合いになりますが、犬・猫もシニアや高齢になれば、ペット保険の必要性が高まりますので、備えが必要な場合は早め早めに加入していきましょう。

当サイトでは、ペット保険を様々な角度で比較検討しています。ぜひ参考にしてペット保険選びにお役立てください。